退屈な舞踏会に参加していたセシリアは、その退屈が吹き飛ぶ事態に遭遇した。
兄の求婚相手であるメリサンドを死に至らしめた男―ジョナがあらわれたからだ。
兄と親友だったジョナは、メリサンドの死のせいで社交界からのけ者になった。
しかし、戦争の英雄となり伯爵位も継いだことで、ふたたび社交界に返り咲いたのだ。
久しぶりに再会したジョナの姿に、セシリアの胸は高鳴った。
彼にはじめて出会った日から、彼以外に愛せる人はあらわれないだろうとわかっていた。
だが、兄がジョナを憎むかぎり、ふたりが結ばれることはないと思い…。