バチカンに命じられて死んだエチオピア人の全身に散らばる奇妙な傷を調べていくうちに、聖十字架の木片―リグナム・クルチス盗難事件へとつながったが、謎は深まるばかりで一向に明らかにはできない。いったい誰が、なんの目的で聖異物を奪っているのか。難解な謎に次々に直面するオッターヴィアたち三人は、ダンテの『神曲』が暗号文だと気がついた。煉獄篇に書かれる七つの大罪の贖罪が謎を解く鍵だと解釈し、忌まわしき罪で知られた七つの都市で、七つの試練に直面することになった。しかし、過酷すぎる試練の連続は、三人をさらなる謎へと導いて…。