「夫なんて必要ないわ！」心の底からそう思って発した言葉ではあったけれども、
ペニーには夫が必要だ。それも、いますぐにでも。牧場主の父親が亡くなったあと、
独身のペニーが牧場を切り盛りするのは困難なことだった。
なにしろ、牧畜業者組合の会合に参加できないうえに様々な事件が彼女を取り巻いたからだ。
牧場を立て直すためには夫が必要だ。あきらめとともに悟ったペニーは、親友に電報を打った。
「ダイシキュウ オット オクラレタシ」と。
花婿を注文したペニーのもとに届けられたのは、薬で意識不明にされた長身の男で……。
