子どものころから人に見えないものが見える能力を持つデスティニーは、
妖精の父親の血を受け継いでいると母親から聞かされてきた。
母は、この世には真実の愛があって、ふたり揃ってはじめて完全な存在になれる相手──
魂の伴侶が見つかるのという、まるでおとぎ話のようなことをデスティニーに話していた。
しかし、父親が自分たちのもとを去った事実に、彼女は真実の愛など信じられずにいる。
おとぎ話のようなハッピーエンドなんて存在しないのだ。
そんな彼女の妹リーアが、なにものかに誘拐された。
夢で見た”コリエル・エンタープライズ”社に調査を依頼したデスティニーの前に、長身で大柄、
そして黒ずくめのジェスという男が現れて……。