エリーの人生は苦難の連続だった。突然、胸に奇妙なあざが現れたり、
数年前に出ていった継父から家や牧場は彼のものだと主張されたのだ。
家にとどまるならベッドの相手になれ。そう迫られたエリーは、数ドルの金と古びた車だけで、
行く当てもなく逃げ出さねばならなくなった。
エリーが現実逃避に求めたのは、何度も読み返したロマンス小説だ。
ハイランドの物語を読めば、いまだけは苦境を忘れられる。
こんなとき、自分だけのハイランダーがいれば、どんなにすてきだろう。
エリーがそう思った次の瞬間、緑色の光に包まれて意識を失ってしまう。
そして、目覚めたあとに出会ったのは、まさに理想のハイランダーそのものの男性で──。